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また今度ね。 その言葉を最後に、会えなくなった人がいる。 最後に見たその人の目は微かに潤んでいたから、きっと泣いていたんだろう。 幼かった俺には何も出来なくて、ただ気付かないフリをして、彼の言う“今度”を信じ続けた。 だけど俺は知っていたんだ。 彼にはもう、会えないだろうことを。 なぜなら彼の本命は、俺じゃなかったから。 彼が本当に会いたかったのは、橘 啓太じゃなくてーー。 それから数年、俺はまだ、あの人を待ち続けている。
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