-愛してるから、さようなら-

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「また来たんだ」 「なにその嫌そうな言い方」 「あはは、ごめん。でも、こんなに毎日来てもらって悪いなって思ってさ」 「そんな事気にしなくていいのに」 「気にするよ」 「…ね、喉渇かない?何か買ってきてあげる」 「…うん、ありがとう」 一階の自動販売機までの道を思い浮かべながら、妙に緩やかな階段を下る。 まるで迷路みたいなこの病院に慣れるのは、随分時間が掛かった。 三階から一階に下る際になんで四回も階段をくだらなきゃならないのか。謎かけでも意味がわからない。
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