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「かぁーーーー!!人間のおでましだー!!退散ーーーーーー!!」
「アスレッドリーダーの号令きたーーー!!よし、手筈はできてるね!!」
「まかせろ!!」「おっけーー!!」
「何時でもどーぞ!!」
「じゃあ、ビオレちゃんに気付かれないようについていくぞっ!!」
ばさばさばさばさばさばさばさばさ・・・
4羽のカラス達は、今日は何もゴミ置き場の中にお目当ての『ふうせん』が無かったのか、ションボリしながら飛び立っていくビオレの後ろを飛んでいった。
ばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさばさ・・・
「ん?」
ばさばさばさばさばさ・・・
「あれ?誰かついてくるよ?」
ジェットが気配に気付いて振り向くと、そこには・・・
「やあ、一緒にどこ行くの?俺も付いていっていいかなあ?」
「ひょっ!!」「げっ!」「アスレッドリーダー!!」「あなたもついていくの?」
「行っちゃわりぃかよっ!!暇だからさっ!!で、何処行くの?」
「あれ!ビオレちゃん!!あいつ、ゴミ袋から萎んでたり割れた『ふうせん』を見つけては、塒に持ち帰ってるみたいなんだ。」
「ふーん。面白い!!」
リーダーカラスのアスレッドはニヤリとした。
ばさばさばさばさばさ・・・
「ビオレちゃんが着陸態勢!!何か発見したみたい!!」
「あっ!!道端に棒付きの『ふうせん』突っついてる!!」
ぱーーーんっ!!
「きゃっ!!」
「ひゃっ!!」
「『ふうせん』パンクしちゃった!!」
「ビオレちゃん、『ふうせん』パンクしちゃってビックリしてる!!おちゃめー!!」
「あれっ!!」
「割れた『ふうせん』を棒から外して嘴にくわえた!!」
ばさばさばさばさばさ・・・
「持ってっちゃった!!」
「どうするんだろ?あんなの拾って?」
「だから、それを確かめに・・・」
「ほら、ボサッとするなよ!!ついていけ!!」
「はいっー!アスレッドリーダー!」
ばさばさばさばさばさ・・・
「ビオレちゃん、着陸態勢に入った!!」
「了解!!ここだな。」
カラスの群れのリーダーのアスレッドを含めたカラス達は、やがてビオレの塒の雑木林へついた。
ガサゴソガサゴソ・・・
「このビオレちゃんの塒の木、ゴム臭いよお。」
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