第1章

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学校にも慣れてきて、部活にも入って。 それなりに学校生活を楽しんでいて。 彼女なんていないけれど、それはそれでいいと思っている。 周りは彼女がいるだとかいないだとかで競い合っているけれど、それってなんだか人の心で遊んでいるみたいに思える。 そんなことはしたくないから、俺は別に彼女なんていらないと思っていた。 けれど、俺は不幸だ。 周りを警戒する癖がついているからか、常に睨んでいるように見えるらしく、先輩・後輩関係がついて回る学校は 先輩達からにらまれないように、気を遣いながら過ごさなければならない。 つまりだ。俺が1度でも先輩から睨まれたが最後、それは卒業するまで終わらないということ。 やりにくいことこのうえない。 ちなみに、俺が所属しているのは茶道部。男子の比率がとても少ない。 20人いるうちの、俺と先輩1人を除いて、他は全員女子。 同級生も女子だらけ。はぁ。座ることが多い部活だが、だからこそ気は抜けない。 座るとき。女子のスカートのあのひらひらを目に入れることは許されない。 まして自然の悪戯で風が吹くなんて、俺にとっては地獄だ。 「もぅ、なに見てんの?」くらいで終わらせてくれたらいいけれど、「え、なに、見てたの?変態」なんて言われたら俺のメンタルは崩壊してしまう。 そう。俺はいわゆる草食系と呼ばれるチキン。 言葉を変えればヘタレである。 ...こんなこと、自分で言いたくはない。 けれど、売られた喧嘩は買う。そして煽る。とても面倒な人種だと思う。 そして。起きてしまった。 ただの部活帰りに。俺の悪夢、いや、もうお決まりが。
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