悪夢ではない「お決まり」

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ただの部活帰り。 それが、どうしてこうなるのか。 「おい、今どこ見てた!?」 「オレらのこと、見てたろ??」 校門を出て、少し歩いたところでつかまった。 というより、いきなり先方がキレてきた。 たまたま目が合ったらしい。 理不尽極まりない。 「いや、見てませんけど。」 「見てたろうが!ウソつくんじゃねぇ!」 本当だっての。 心のなかで悪態をつく。 同じ制服、同じネクタイ。そして鞄は少し色褪せているから、先輩は先輩、でも1つ上くらいか。 そんなふうに観察していた。 そして、これからこの先輩3人組をどう片付けようか考えていたところに 「お~、お前らどうした?そんなところに突っ立って。」 能天気ではあるが、どこか威圧感を感じさせる声が降ってきた。 俺の学年団にいる、保健体育教諭の岩橋だ。 「おぉ、お前ら先輩だろ?後輩相手になにやってんだ?」 「あ、いや、何も。」 「また絡んでたんだろ。」 「ほんとに、何もしてねぇよ」 「本当だろうなぁ?」 「ほ、ほんとだから、どっか行けよ。」 「あーハイハイ、どっか行ってやるよ。その前に1年。お前は帰れよ。」 「あ、ハイ。」 なにしてくれる。タイミング良すぎだろ。 なんだよ。漫画か?でなきゃ小説か。現実のことだとは思えない。
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