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あれは間違いなく浮気相手だ
あんな平凡そうな男のどこがいいんだ?
俺が卒のないイイ男だから反動であんな冴えない男に走ったのか?
ジッと観察を続けていると二人は立ち上がりレジへと進む
ん?
会計が別なのか?
菊乃…そんな甲斐性なしと浮気シてるのか?
やはり、俺への当て付けなのだろうか?
しかし、菊乃は満足しているようで
男と寄り添い店を出て行った
散々浮気しておきながら
腹立たしいと感じる俺は身勝手でどうしようもない男だ
「失礼します。
セットの珈琲お持ちしました」
可愛いウエイトレスを見ても何も感じない…
出された珈琲は、ほろ苦くて…
無性に菊乃の淹れた珈琲が飲みたくなった
菊乃が離れて行ったらどうしよう…
不安と焦りで俺の中は乱れていた
対策本部は機能せずに夕刻を迎え
ぼんやりと眺めるオフィス街は帰路へ着く人の波が出来始めていた
俺も帰り支度を…
カフェで過ごす一日は結構な金額になっていて
満面の笑顔で店を送り出された
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