妻の辻褄

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瞼越しに陽の光を感じる 寝心地のいい俺のベッド やはり 自宅は落ち着く ベッドを抜けリビングへと続く扉を開けると 芳しい珈琲の薫りが鼻腔をくすぐる 白を基調としたシンプルな部屋に 沢山の観葉植物の緑があしらわれた 俺には不似合いなこの部屋 一番不似合いなのは 平凡を絵に描いたような 薔薇柄のエプロンをし 俺に背を向け珈琲を淹れる この女 椅子に座ると 少し形の崩れたオムレツとサラダを乗せた白いプレートが 俺の前に置かれた 眼鏡を掛け 机に置かれていた新聞を大きく広げる 頭の中は 新聞に書かれてる昨日の出来事ではなく 昨日の女との甘い出来事 飽きて捨てたが しなやかな身体だった… などと思いを馳せていれば 俺の手元に珈琲が届いた マグカップに並々と注がれた珈琲 こぼさぬように そっと手にとり味わう 美味しい… 俺に不似合いなこの女は 殊の外、珈琲を淹れるのが上手い
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