妻の辻褄

4/27
166人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「明日、大阪出張になったから」 「あら、急に大変ね」 会話のセンスもない こんな平凡な女が俺の妻だ 大阪には、大阪の… 「呼んでくれて嬉しい」 大阪の女は部屋に入るなり俺に抱きつく この女とは、もう三年になるだろうか… お互いを熟知する関係は すぐに高みへと誘える 「雅之さん、最近本社の若い娘に手をだしたでしょ?」 若い… 「あぁ。営業の子の事か? 胸が大きくて…ついつい手がね」 「その子、専務のお手つきらしいから 注意しなさいよ」 「支社へは、そんな噂も流れてくるのか?」 「そーよ。気をつけてね」 気をつけろと言いながら 長く細い指は俺の身体を這う 大阪の女『冴子』とは 冴子が大阪に異動になってからの関係だ それまでは、ただの後輩だった 冴子の異動を祝う送別会 関係が変わったのはあの後からだ 一度だけで良いからと言われ 美味しく戴いた 冴子のように たまに会う関係が俺には丁度良い
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!