妻の辻褄

7/27

166人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
菊乃の他にも女はいた 毛並みの良い 血統書付きの猫のような女達 だから、平凡な菊乃が珍しかったのだろうか 菊乃は平凡だが、簡単には靡かなかった この俺が 食事をするだけの関係 計算なんだろうか? と何度か疑う事もあったが 答えがよくわからないまま 菊乃とは友人のような関係を 続けていた 『新しいお店開拓しましたよ。』 菊乃のメールは いつも色気が無い なのに 俺は直ぐに返信するのだ 『明日、会社まで迎えに行くよ』 早めに仕事を終わらせ 菊乃の勤める会社が入っている ビルの下 街路樹の植え込みに腰をかけ 彼女を待つ   彼女の薦める店にいつも間違いはない 今回も、美味しい珈琲にありつけそうだと、彼女が出てくるのを心待ちにしていると 清楚なワンピースを着た2人の女が出てきた 1人は、平凡な顔をした菊乃 もう1人は、派手な顔立ちをした美人だ… 勿論、美人に目を奪われていると 2人の前に、背の高い男が立ちはだかる あぁ。 あの美人目当ての誘いだな 暫し状況を見守っていると 男は菊乃に話しかけているように見えた …なんだ。知り合いか
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

166人が本棚に入れています
本棚に追加