放尿刑事

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 しかし、事態はとんでもない方向へと向かいつつあった。なんと、小便が止まらなくなってしまったのだ。こんなに出るのは、生まれて初めての経験かもしれない。  足元にはすでに、大きな水溜まりならぬ小便溜まりができており、アンモニアを含んだ蒸気がマグナムにまとわり付き、さらにはこの寒さで蒸気が結露し、塩の結晶のようなものがキラキラと輝きはじめていた。綺麗なのだが、なんだか複雑な心境だった。 「長いな」 「まあな」  引くに引けぬ、犯人との睨み合いは続く。  だが、さらに事態は悪化。あまりにも小便が止まらないため、体の水分が不足し、目の前がぼやけ、立ちくらみがしてきた。  そんな俺の様子を察した犯人は、ニヤリと並びの悪い歯を覗かせた。  ヤバイ! 撃たれる!  そう思った矢先、ふらついた俺の足が小便溜まりをおもいっきり踏み付けてしまい、飛び散った小便が犯人の顔を直撃した。 「き、汚ねえぞ!」  手段が汚いのか小便が汚いのかは知らない。たぶん両方の意味だろう。  そのおかげで、体勢を崩してしまった犯人は、俺の44マグナムの餌食となり、事件は終演を迎えることとなった。しかし4マグナムの方は、まだ放尿を続けている。  どうやら署に戻る前に、泌尿器科に寄らなければならないようだ。
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