第1章

2/5
前へ
/5ページ
次へ
「真湖ちゃん、おはよう! 」 「おはよう」 私は眞田 真湖[さなだ まこ]。 「真湖ちゃん、宿題のここの部分教えて」 「良いよ。 ここはね………」 勉強は得意。 宿題は忘れたこともない。 「分りやすい! ありがとう、真湖ちゃん」 クラスの人気者の私。 そんな私には誰にも言えない趣味がある。 コロコロ。 私の方へ転がってきた消しゴム。 拾って持ち主に返そうとすると、見覚えのある可愛い顔が印刷されていた。 「………ハルちゃん」 ボソッと呟く。 呟いた後に慌てて口を手で押さえた。 「真湖ちゃん、ありがとう」 「あ………うん。 どういたしまして」 良かった。 聞こえていなかったみたいだ。 先ほどの眠そうな顔のハルちゃん、可愛かったな。 そう、私はオタクなのだ。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加