第1章

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家に帰ると手洗いうがいを済ませて、自分の部屋へ。 アニメのポスターにフィギュア、ぬいぐるみがぎっしりとあるこの部屋は安らぎの場所。 先に宿題を終わらせて、残りの時間はパソコンでイケメンが出てくるアニメを探す。 片っ端から1話だけ見て、面白いと感じたものは続きを見る。 あぁ、幸せ………。 今日は久しぶりに面白いアニメを見つけた。 何で今まで知らなかったのだろう! オタク失格だ………! 早速、フィギュアが欲しくて、欲望のままにお金と携帯を持って自転車に乗る。 目指すはオタクにとって神聖な場所。 その名もアニメイト。 多種多様な物が置いてあるアニメイトはまさに私のためにあるような場所! 早速、先ほどのアニメの主人公を探そうとアニメイトを歩き回った。 「………あれ? 真湖ちゃん? 」 突然話しかけられてビクッとする。 聞いたことのある声。 それも今日、消しゴムを拾ってあげた子の声によく似ている。 しまった。 いつもは伊達眼鏡に深い帽子を被って変装するんだけど、今日は忘れてきてしまった。 どうしよう。 頭のなかに選択肢が思い浮かんだ。 ①逃げる →これは不審に思われそうなので却下。 ②聞こえなかったふりをする →何度も声をかけられてしまったら困るので却下。 ③妹に付き合わされて →会いたいって言われたら嘘がバレるので却下。 ④正直に話す →これは論外だ。 ⑤何事も無かったかのように →リスクが高すぎるので却下。 「真湖ちゃん………? 」 や、やばいやばいやばい! 「き、奇遇だね! フィギュア買いにきたの? 私もなんだ! 」 焦った私は正直に話してしまった。
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