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「そりゃ、宮坂さんなら彼女くらいいますよね。
だけど、食事くらいしてもいいじゃないですか。彼女さんだって職場の人と食事したくらいで怒らないでしょう?」
やけに近付いてくる辻は正直不愉快で、浩二は大げさにため息をついた。
「いや、そういうの無理だから。
彼女以外の女と食事するなんて、俺が嫌なんだよ」
そう言えば、辻は「え」と言ったきり固まった。
信じられないとばかりの目を見返す気にもならず、浩二は「じゃ」と言い残してシステム部に戻った。
ドアを閉めたと同時に、深いため息が漏れた。
なんというか、疲れる。
傍にいるだけで力を吸い取られる感じだ。
デスクに戻ると今度は原田に騒がれ、さらに力を吸い取られた。
「なんだよ、あの子なんの話だったんだよ」
「なんでもいいだろ。たいした話じゃなかったし」
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