時計 TYPE A

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 二軒、三軒とはしごして、友人と別れたのはすっかり深夜になってからだった。  ふらつく足で家へと向かう。  明日も仕事というのに、いくらなんでも飲み過ぎた。朝、きちんと起きられるだろうか。  そういえば今何時だ?  反射で腕時計に目を向ける。  おいおいもう午前一時かよ…と思ったところで時計が止まっていることに気がついた。  ポケットからスマホ穂引きずり出す。画面に目を向ける。  その瞬間、まばゆい光が全身を包んだ。  凄まじい衝撃が全身を襲う。  車にはねられたのだと、酔った意識でも理解できたが、体の方はどうにもならない。  起き上がれない俺を残して車が立ち去る。  轢き逃げされた。周りには誰もいない。俺を助けてくれる人はいない。  せめて自力で救急車を…そう思うのに、手から力が抜けてすく。握っていたスマホが滑り落ちる。  たまたま見えた時刻はAM1:00…止まったままの腕時計と同じ時刻だ。  その瞬間、唐突に悟った。  腕時計は、俺の臨終時間を差していたのだと。  …それきり俺の意識は途絶えた。 時計 TYPE A…完
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