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「そこまで!勝者リン・シュ……」
「ちょっと待って下さい光先生。おい朝風吹雪!全くダメージがない筈だろ?」
「全くって事はないぞ……それにしても驚いたよ。かなり速いな……」
「私的には今の攻撃で倒れなかったお前に驚いたぞ」
「そりゃどうも……」
そう会話しながら立ち上がると回りがざわついている事に気がついた。
「今ので倒れないってどんな身体能力してるの!?ねぇ今の見えた?」
「全然!私もリンさんと模擬戦した時、一瞬でやられたもん!」
「もしかして、魔法使ったんじゃないか?」
「いやっ、でも魔法使えないって言ってたよね?」
「それは嘘だったんじゃないか?」
「そうだよね……そうじゃないと説明出来ないもん」
(なんか根も葉もない事言われてるな……本当に今の俺では魔法使えないんだけどな)
そう心の中で答えてるとリンが話し掛けてきた。
「早く構えろ朝風吹雪!もう手加減しきれないからお前も本気で来い!」
「今ので手加減かよ……残念ながら俺は本気を出さないぞ?このままでも大丈夫だ」
「ふざけるな!私じゃ相手にもならないってか!」
「そこまで言ってないけど……」
「じゃあどういう事だ!本気を出さないって!?」
「もうこの話は終わりにしよう?なっ?」
「もういい……見損なったぞ!お前なんか叩きのめしてやる!」
そう言った瞬間、リンの姿が消えた。
(やっぱり速いな……でも)
後ろから気配がした瞬間リンが拳を振り上げていたのが見えたので、その拳を右手で受け流してそのままリンの体を投げた。
リンは受け身を取り綺麗に着地した瞬間、右手を俺の方に向けて『力ある詩』を紡ぎだした。
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