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リンを抱えたまま、地図通りに医務室を目指しているとリンが目を覚ました。
「大丈夫か?」
「んっ……あれ……わた……し……確か……」
「まだ安静にしてた方がいい。俺も少し本気を出したから、思いっきり叩いてしまった。」
「そうか……私負けたんだ……って何だ!何でお前に抱えられている!?離せっ!自分で歩ける!」
リンはそう言うと俺の腕から無理矢理降りて自分の足で立とうとした……が三半規管をやられてるのでふらついて倒れそうになったので、俺は慌てて抱え直した。
「無理するな。俺が言うのもなんだけど三半規管をやられてる筈だから大人しくしとけ」
「そうだ……お前!あの時何をした!?お前が目の前から消えた瞬間、気がついたらお前に抱えられて……」
「俺はただ、リンの首の裏を叩いて脳を揺らして気絶させただけだ」
「なるほどな……でもあの速さは何だ?全く見えなかったぞ?」
「あれは、魔法が使えない俺が使える技術の一つだ。どう使うかは教えられない」
「そうか……でも気をつけておけよ。私はこれでも学年別では5本の指に入ってるんだ。その私が負けたとなれば私より上位の人間が決闘を申し込んでくるかもしれないからな」
「ご忠告ありがとう。ほら、医務室に着いたぞ。もう今日は安静にしておけよ」
「分かった……そのなんだ……運んでもらってありがとうな……それと次は負けないからな!」
リンはそう言うと照れくさそうにお礼を言ってきた
「俺がやってしまったから連れてくるのは当たり前だろ?それよりリン。やっぱりそうやって女の子らしくしてた方が可愛いぞ」
俺がそう言うとリンは顔を真っ赤にさせて叫んできた
「またお前はっ!私をからかってたにょしいのかっ!?」
俺は心の中で
(やっぱりこっちの方がいいな)っと思いながら
そこから逃げるように去って行った。
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