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学園長室に着いて入った瞬間、目に飛び込んで来たのは肌色とそれを隠す水色と白色のストライプの布だった。
「よう王香……手紙の件で来たぞ」
「なっ、何が『来たぞ』よ!出てけ!」
王香は顔を赤くさせて、近くにある置物を投げてきた。
そのまま待つこと数分……王香が顔を赤くしたまま扉を開けて出て来た。
「もういいわ……入って」
「それじゃ、失礼するぞ」
とりあえず招かれたので学園長室に入った。
「朝風吹雪……いつも言ってるでしょ。最低限の礼儀を見せなさいと……」
王香は、呆れながら注意してきた。
「いやっ、その……なんだ……悪かった!着替えしてるとは思わなくて!でも大丈夫!あんまり見えてなかったから!」
俺はフォローしたつもりだったが王香は、
「あんまりって事は、少しは見たんですのね。」っと言ってそっぽを向いてしまった。
「だから悪かったって……わざとじゃないんだ」
「まぁ、済んだ事はいいですわ。それより本題に入っていいかしら?」
「あぁ……手紙には魔獣の討伐って書いてたけど、何でわざわざ俺に頼むんだ?この学園には実力者がかなり居るだろ?ほら、神崎家の真冬とか……」
「確かに神崎真冬は実力者の一人ですわ。でも今回に限っては、任務の詳細が分かりませんの。だから、どんな魔獣かが分からない任務に神崎家と言えど、学生には荷が重いのですわ」
「ちょっと待て王香……俺も今はこの学園の生徒なんだが……」
「貴方なら大丈夫と思いましたの……一人でA級魔獣のドラゴンを狩った所を見た事あったので……」
「まぁ、大抵の魔獣は一人でも勝てるのは事実だが……それより、手紙に書いてあった一人じゃないって、どういう事だ?」
「もう一人依頼した子がいるの。その子もかなりの実力者だから背中を任せられると思うわ」
「どういう事だ?さっきは学生には荷が重いって聞いた筈だが?」
「魔獣と相性の良い魔法を使えるから大丈夫と思い依頼したの」
王香と話をしていると、扉をノックする音がした。
「ちょうど来たようね……入って」
王香が入るように促すと、「失礼します」と、言いながらノックをした子が入って来た。
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