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「貴様っっっ!よくも我に傷を負わせたな!生きて帰れると思うなよぉぉぉ!」
魔獣は、怒り狂ったのかその辺の壁や床を破壊しながら吹雪に爪を向けた。
しかし、吹雪は冷静だった。自分に魔獣の爪が当たる寸前の所で向かって来た魔獣の腕を消し飛ばした。
「おのれぇええ!下等の人間のくせに!」
魔獣は尚怒り狂い、両腕を失った魔獣は牙を向けてきた。吹雪は静かに魔獣に刀を向け死刑宣告を下した。
「『霧風』の錆となれ……朝風流一ノ型『龍破』」
次の瞬間、魔獣の下半身が消え去り言葉を発する事無く魔獣は絶命していた。
(やっぱりこの出血量では無理があったな……)
そう思うのもつかの間……刀を納めてすぐ吹雪は膝から崩れ落ちてしまった。
(マズい……上村さんが居るのに……)
そう思いながら吹雪は意識を手放した。
******
夢を見た
一人の少女が泣いていて、周りは血の海……
やがて、その少女も倒れて
一人の男が笑っていた
「吹雪……お前は俺の事が憎いだろう……その憎しみを己の糧として這い上がれ……」
そこで夢は終わった
******
気がつくと俺は知らない部屋で目が覚めた。
「……ここは?」
「気がついたみたいね。」
体が殆ど動かない為、顔だけ声のした方に向けるとそこに居たのは王香だった。
「……王香……俺はどのぐらい寝てた?」
「丸3日と半日よ」
「そんなにか……」
吹雪はそう呟くと思い出したかのように飛び起きた。
「っ!そうだっ!王香、上村さんは!?上村さんは無事なのか!?痛っ!」
「無理しないの……本当だったら死んでもおかしくない怪我だったのだから……結論だけ言うと上村夜見は無事よ。びっくりしたんだから、帰って来たと思ったら上村夜見が泣きながら、あなたを魔法で浮かせながら帰って来て、私に『この人を助けて欲しい!』ってお願いして来て……」
「そうか……上村さんが無事でよかった」
そうこう王香と話をしてると部屋の扉が開いた。
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