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王香と軽く話を終えると一人の女が入ってきた。
「失礼します。学園長お呼びですか?」
その女を見たとき俺はまず髪の色に目を惹き付けられた。真っ赤に燃える如く緋色の髪の色にウェーブがかった髪型なのでそれも火の様に感じたからだ。
王香は入ってきた女に目を向けて一言。
「貴方までノックをしないのね」
明らかに不機嫌そうな顔をして、俺が入ってきた時と同じような顔をした。
「それはそれは、失礼しました。それより王香ちゃん。こいつが今日来るって言ってた、新しい生徒かい?」
「王香ちゃん、言うなっ!後者の質問の答えはイエスよ」
「へぇ~この男があの……」
そう言って俺を凝視してくる女。
「王香、こいつは誰だ?」
「ごめんなさい紹介が遅れたわね。この人は火を教える教師で、あなたの担任になる夕凪火鈴(ゆうなぎ かりん)よ。」
「初めまして。夕凪火鈴だ。好きな者は王香ちゃん、好きな人は王香ちゃん、一番欲しい者は王香ちゃんよ。気軽に火鈴と呼んでくれて構わないわ」
この際、変態的自己紹介は放置して王香に向き直った。
「俺は、魔法は使えねぇぞ。」
そう、俺は魔法学園においては最底辺な【魔法を使えない】という特徴を持ってる。
まぁ正確に言えば【使えない】では無く【使いたくない】と言った方が正しいが……
「それくらい知ってるわよ。とりあえず、あなたは2年R組に入ってもらうわ」
「R組っ!おい王香、一体なん組あるんだよ?」
俺は王香が言ったアルファベットを頭の中でABCD……と順に数えていると王香は俺の考えてる事が分かったのか言葉を発した。
「別にRと言うのは順番通り数えた訳じゃないわ。REDのRよ」
「なるほどな……赤で火って意味か」
「そういう事よ。火鈴、朝風吹雪をクラスに連れて行きなさい」
「分かったわ。吹雪君、私のクラスに案内するわ」
「あぁ、頼む」
そう言って、学園長室をあとにした。
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