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やっと攻撃が終わり自分の体から枝を抜き取った。
すると抜き取った場所から血が噴き出してきた。
(ちょっとまずいな……『霧風』を持ってこればよかった……)
俺は自分の体を確認してそう思った。
「正直残念だ朝風吹雪……噂では、かなり強いって聞いてたからこの日を楽しみにしてたのに……落胆したぞ……もうお前に興味が無い。終われ」
「お前が勝手……に期待したんだろ?その期待を俺に押し……付けるな……」
「もういい喋るな……」
そう言うとまたも力ある詩を紡いできた。
「我の息がかかった者に苦痛を与えよ『ラスト・ポイズン』……」
……
しばらくしても何も起きない
「どうした?終わらせ……るんじゃなかっ……たのか?こちらからも行くぞ」
俺は攻撃しようとかなりの速さで桐生の前に来たが、いきなり目の前が反転した。
「えっ……」
体中に力が入らず訳が分からないままでいると、目の前から見下ろしている桐生が喋りだした。
「さっきの枝には大量の細かい毒針のような棘がついてたんだ……その毒は力ある詩と同時にじわじわ対象者を苦しめる」
そう桐生が呟いてすぐにその毒やらが効いてきた。
「っ!があぁぁぁぁぁ!」
傷口から大量の血が出て来て、遂には口からも吐血した。
「くっ!ゴホッゲホッ」
「もう諦めろ……早く治療しないと死ぬぞ」
桐生がそう言うと脳裏に浮かんできた過去。
『もう諦めろ……お前は守れなかった』
その瞬間、俺の中で何かが切れた。
「なめるなよぉっ!」
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