23人が本棚に入れています
本棚に追加
「これはだな……」
「安心しなさい、リン・シュヴァルツァー。これは朝風吹雪の病気みたいなものよ」
俺がリンにどう説明しようか考えてると王香が訳の分からない事を言い出した。
「安心出来ません、学園長!一体どんな病気を持ってたら、こんなに血だらけになるのですか!?」
王香の説明では真面目過ぎるリンには通じなかったみたいだ。
「病気と言うのは言葉の言い回しよ……朝風吹雪、貴方も勘違いを解きたいなら本当の事を話しなさい」
王香はそれだけ言うと部屋から出て行ってしまった。
王香が出た直後、俺を縛っていた魔力が解除された。
「実は自分で自分を傷付けただけだから、病気とかではないぞ……」
俺はリンに正直な事を話した。
「何故そんな事をした!?そんなになるまでっ!」
すると何となく予想はしてたけど、リンに怒られた。
「これは自分自身に与えた戒めだ……俺のせいで皆が傷付いたんだろ?俺は自分に怒りを覚えた……だから、自分自身に罰を与えたかった」
「それでもっ!それでもそこまでしなくていいではないかっ!確かにお前がした事は許される事じゃないけど、何もそこまでしなくても!」
俺が理由を説明するとリンは、また怒り出した。
「俺がこうなったのは、今回だけじゃない……前にも一度こうなった事があるんだ……王香と俺は暴走って呼んでる」
「暴走?」
「そうだ……過去の事を思い出すとすぐ自分を見失って今回みたいな事になってしまうんだ……」
「その……お前の過去を聞かせてもらえないか?」
リンはやはり過去が気になるのか、詳細を尋ねてきた。
最初のコメントを投稿しよう!