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教室に向かう廊下を歩いていると、火鈴が話しかけてきた。
「私が言うのもおかしいけど、私のクラスは大変よ?」
「何がどう大変なんだ?」
「教室に入ったら嫌でもわかるわ……」
火鈴はそう言って黒いオーラ的な物を纏った雰囲気で言うと一つの扉の前で止まった。
「ここが私のクラス……2年R組よ」
そう言うと、いきなり扉を開けた。
「は~い、皆席に着いて。お知らせがあるよ~」
「先生~、お知らせって何ですか?」
「なんとっ!今日からこのクラスに新しい生徒が入って来ます。朝風吹雪君入って」
そう紹介されたので入るしかない……と言うよりさっき俺と話してた時の雰囲気がどこに行ったのかが気になる。
(入ったのはいいけど、やっぱり皆の注目を浴びるのはなれないな……)
そう思いながら教壇までたどり着いた。
「今紹介された朝風吹雪だ。最初に言っておくが俺は魔法は使えない。使えるのは剣術と格闘術だけだ。これからよろしく」
簡単な自己紹介を終えると一人の女生徒が元気よく手を挙げた。
「はいはいは~いっ!朝風くんは、魔法が使えないのに何で魔法学園『帝王学園』に入れたの~?」
皆疑問に思ったのか頷いていた。
(参ったな……疑問視されるのは当然か……)
どうしたものか考えていると、火鈴が助け船を出してくれた。
「確かに疑問に思うでしょうけど、彼は剣術が評価されて帝王学園に入る事が出来たんだ」
「そんなに朝風くんの剣術って凄いんだぁ~。是非闘ってみたいなぁ~。」
「まぁ、それは又今度という事で……リン・シュヴァルツァーさん、朝風くんの学園案内頼みますね」
すると別の女生徒が勢いよく立ち上がった。
「何で私なんですか、火鈴先生!?」
「だって、あなた学級委員長でしょ?」
「ですがっ、火鈴先生……!」
「何度も言わせないでリン・シュヴァルツァー」
そう言って火鈴は、女生徒を睨みつけた。
(凄い気迫だ!)
「すみません。わかりました……」
女生徒は、大人しく席に座った。
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