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(俺は『あいつ』を絶対に許さない!『春花』を殺した『あいつ』だけは許しちゃいけない!例えこの身が汚れようと、皆から見放されようと構わない!『あいつ』はこの手で、俺の手で殺してやる!)
俺は憎しみを抱きながら、今は亡き妹……『春花』の事を考えていた。
するとまた部屋のドアが開き、誰かが入って来た。
「元気……じゃないみたいだな吹雪くん」
入って来たのは火鈴先生だった。
「真冬さんとリンさんに聞いてね。君が怪我をしてるから治してほしいって頼まれたんだよ」
「別にこの怪我は治さなくてもいい……これは俺自身に与えた戒めだからな」
俺は治癒してもらうのを拒んだ。
「それは駄目だ吹雪くん。2人に頼まれた以前に君は私の大切な教え子だからな」
「そう言ってもらえるのは嬉しいが、火鈴先生もさっきの予選を見ただろう?」
「ああ……観ていたよ」
「それなら、俺がした事が駄目な事ぐらい分かるはずだ!」
「確かに君がした事は間違っている。でも君は反省して、尚且つ自分を傷付けた。それなら、もう良いと私は思う」
「何が良いんだ!?」
「もう自分を責めるのをよ。君がその気持ちを忘れなければ、それでいい」
「分かったような口を聞くな!」
俺はそう叫ぶと、火鈴先生に向かって平手打ちをした。
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