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パチンッ
部屋に乾いた音が響いた。
「何故躱さなかった!?あんたぐらいの魔法使いだったら躱せたはずだろ!」
「確かに躱せたよ。でも君が落ち着くなら私はいくらでも殴られよう」
(俺は何をしてるんだ)
******
「落ち着いたかな?」
「はい……さっきは叩いたりしてすみません」
「別に構わないさ。それでは治癒を始めていいかい?」
「お願いします」
「我が敬愛する者に加護を『ホーリー・ヒール』」
火鈴先生が治癒魔法を使った瞬間、俺の傷は全く目立たないぐらいまで癒えていた。
「先生、一つ聞いてもいいか?」
「なんだい?」
「火鈴先生はダブルマテリアルだろ?」
ダブルマテリアルとは、本来一人に一つしか宿らない属性魔法が稀に二つ属性魔法が使える人の事を言う。
「さぁ、それはどうかな?私はそれを否定もしないし肯定もしない」
「それで構わないさ……こっちで勝手に解釈させてもらう」
「はは……やっぱり君は面白い」
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