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「今のは、風魔の剣か!?」
「よく分かりましたね。でも、躱せなかったら意味がない!」
櫻木が動くたびに体に切り傷が増えていく。
(風魔の剣は櫻木家の秘剣……風を操り魔を断つ。さすがに気体は見れないから躱せなかったんだ)
「反撃してこないんですか?だったら此処で倒れて下さい」
櫻木はそう言うと、初めて剣の構えを変えた。
(あれはマズい!)
「櫻木流破の型『かまいたち』」
櫻木が風魔の剣を振った瞬間、恐ろしい風が吹き荒れた。
俺に風が当たった瞬間、俺の体から血が噴き出した。
「があぁ!」
俺はその場で崩れ落ち、俺の周りは血溜まりが出来た。
「そんなものですか、朝風家の『元頭首』?」
「っ!なんで……おまえがそれを……知っ……ている?」
「なんででしょうね?とりあえず、明日の生徒会執行部の選定に出れる傷で抑えときましたから、今日はこの辺で失礼します。行きましょう巫女様」
櫻木は夜見を連れて部屋から出て行った。そこに残ったのは敗者の俺一人だけだった。
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