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滝崎が二枚の紙に書いてある名前を読み上げた。
(俺じゃなかったか……リンの事だから大丈夫と思うけど、『夜桜』って名字何処かで聞いた事あるな?)
俺が考え事をしている内に名前を呼ばれた2人がステージに上がっていた。
「それでは只今より生徒会執行部の選定本戦トーナメント第1回戦を行います。勝負……始め!」
試合が始まった途端、リンが仕掛けた。
「風よ我に仇なす邪気をうち払え『エアロショット』!」
リンが力ある詩を紡ぐとリンを中心に突風が吹き荒れ、夜桜目掛けて飛んで行った。
「闇よ我を覆え『ディメンション・ゲート』」
夜桜が力ある詩を紡ぐと黒い何かが夜桜を覆った。
風がそこに当たると吸収されるように消えて行った
。
「なっ!」
リンが風を吸収され戸惑った一瞬、次は夜桜が先手を打った。
「闇よすべてを飲み込み支配しろ『ダーク・シュート』」
黒い大きな塊がリンに襲いかかった。
「くっ!」
リンはそれを大きく動いて躱した……しかし、少し掠ったのかリンの右腕の袖が焦げていた。
(あれは?……黒炎だと!あれはただの闇じゃない!このままだとリンが再起不能になる!)
「風紀委員長がこんな者?もっと苦戦すると思ったけど勝てる見込みはありそうね」
リンは余裕そうに微笑んだ。
「風よ闇を切り裂け『かまいたち』!」
「リン駄目だ!魔力の放出を止めろ!」
俺は止めたが間に合わなかった。
「切り裂け」
夜桜がたった一つの事を言っただけで、リンの全身から鮮血が噴き出した。
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