生徒会執行部の選定開幕 Ⅱ

4/22
前へ
/184ページ
次へ
滝崎が二枚の紙に書いてある名前を読み上げた。 (俺じゃなかったか……リンの事だから大丈夫と思うけど、『夜桜』って名字何処かで聞いた事あるな?) 俺が考え事をしている内に名前を呼ばれた2人がステージに上がっていた。 「それでは只今より生徒会執行部の選定本戦トーナメント第1回戦を行います。勝負……始め!」 試合が始まった途端、リンが仕掛けた。 「風よ我に仇なす邪気をうち払え『エアロショット』!」 リンが力ある詩を紡ぐとリンを中心に突風が吹き荒れ、夜桜目掛けて飛んで行った。 「闇よ我を覆え『ディメンション・ゲート』」 夜桜が力ある詩を紡ぐと黒い何かが夜桜を覆った。 風がそこに当たると吸収されるように消えて行った 。 「なっ!」 リンが風を吸収され戸惑った一瞬、次は夜桜が先手を打った。 「闇よすべてを飲み込み支配しろ『ダーク・シュート』」 黒い大きな塊がリンに襲いかかった。 「くっ!」 リンはそれを大きく動いて躱した……しかし、少し掠ったのかリンの右腕の袖が焦げていた。 (あれは?……黒炎だと!あれはただの闇じゃない!このままだとリンが再起不能になる!) 「風紀委員長がこんな者?もっと苦戦すると思ったけど勝てる見込みはありそうね」 リンは余裕そうに微笑んだ。 「風よ闇を切り裂け『かまいたち』!」 「リン駄目だ!魔力の放出を止めろ!」 俺は止めたが間に合わなかった。 「切り裂け」 夜桜がたった一つの事を言っただけで、リンの全身から鮮血が噴き出した。
/184ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加