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「とりあえず、吹雪君は一番後ろの空いてる席に座って」
そう言って火鈴が指さした席-一番後ろの窓際-に向かった。
席に向かうと隣の席の奴と目があった。
「え~と、さっき自己紹介した朝風吹雪だ。気軽に吹雪と呼んでくれ」
「……よろしく」
凄く小さい声だったが特に気にせず席に座った。
「とりあえず、今からホームルームを行う」
火鈴がそう言ってホームルームを始めた。
******
やはりと言うかなんと言うか、ホームルームが終わった途端に俺は皆に囲まれて絶賛質問攻めにあっていた。
「吹雪君は、何で魔法が使えないの?」
「好きな女性のタイプは?」
「剣術を主流にしてるって聞いたけど、どこの流派?」
どんどん質問されて困っていると、一際目立った女生徒が仲介に入ってきた。
「あなた達、朝風吹雪が困ってますわ!少しは自重しなさい!」
女生徒が注意すると皆は一斉に押し黙った。
「悪い。助かった。え~と……」
「神崎真冬(かんざきまふゆ)ですわ!真冬でよろしくてよ」
その女生徒……真冬は凄く綺麗な髪だった。暗闇の中でも輝いて見えそうな金色の髪だ。
「じゃあ真冬、ありがとな。それと、一つ聞いていいか?」
「何ですの?」
「真冬の家は、あの神崎家と関係あるのか?」
「あなたの言ってる神崎家と言うのかは分かりませんが、多分その神崎家で間違いありませんわ」
「そうか……」
神崎家と言うのは、十ある名家のNo.8で『魔氷の神崎』と言われている家系だ。
「まぁ、私には神崎家とかどうでもいいのですけどね……」
そう言って真冬は寂しそうな目をした 。
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