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「俺は、小さな島の神社で生まれた。その神社では、長女が巫女になり長男が巫女の護衛をするって決まりがあったんだ」
-9年前
「お兄ちゃん、見て見て!やっと魔力を出す事が出来る様になったよ!」
妹の春花は嬉しそうに俺に近づいて来て、手に魔力を込めて見せて来た。
「巫女様駄目ですよ!今、吹雪様は鍛練中なのですから邪魔したらいけません」
「ぶー!大和(やまと)の意地悪!」
俺の師範、柳川 大和(やながわ やまと)が春花を止めると、春花は頬を膨らませていじけた。
「大和さん。少し休憩入れていいですか?」
「吹雪様!はぁ。吹雪様は本当に巫女様に甘いのですから。いいですよ」
「ありがとうございます。春花、少し話しをしようか」
「うん!お兄ちゃんと話したい」
春花は笑顔で俺の手を握って来たので俺も春花の小さな手を握り返し歩き出した。
「それにしても、春花、よく頑張ったな」
俺と春花は、神社の屋根に座って話し合っていた。
「えへへ。皆にも褒められたよ!『巫女様は朝風家始まって以来の魔力の持ち主です』って!」
「そうか。そうだ春花、明日俺は休みで暇何だが一緒に遊びに行くか?」
「ほんとに!?やったー!お兄ちゃんと遊びに行くなんて久しぶりだぁ!」
春花は笑顔で抱きついてきたので、俺は屋根から落ちない様に春花を抱き止めた。
「おっと……あんまりはしゃぐと落ちるぞ?」
「だって、お兄ちゃんと出かけるなんて久しぶりだもん!それより絶対だよ!約束だよ!」
「大丈夫分かった」
俺は微笑みながら、そう春花に返した。
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