学園入学

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「朝風吹雪!」 真冬と話をしてると名前を呼ばれたのでそちらに振り返ると先程火鈴先生と話しをしていた女生徒が立っていた。 赤い髪をポニーテールにして括っており、活発そうな彼女に似合っていた。 「確か、リン・シュヴァルツァーだったか?」 「リンでいい。それより、学園を案内するから昼休み時間を貰うぞ」 「分かった。よろしく頼む」 リンは、それだけ言うと自分の席に戻って行った。 「なぁ真冬。リンっていつもあんな感じなのか?」 「あんな感じとは?」 「いやっ、一匹狼みたいな感じって言えばいいのかなんと言うか……」 「リンは、前はあんな感じじゃなかったですわ……ある日を境に変わってしまったのですわ……」 「そうか……人それぞれ過去があるんだな……」 そう呟いて左腕を眺めていると、教室の扉が開いた。 「みんな席に着いてくれ。授業を始める。……ん?お前が学園長の推薦で入って来た転入生か?」 入って来て早々いきなり質問された。その人を見るとスラリとした体型で黒の髪を後ろで結んでおり、結んでも尚その髪は腰まで達していた。 「えぇそうですけど……」 俺は取りあえずいきなり質問された事に戸惑い、恐る恐る答えた。 「まぁそう縮こまるなって!私は戦闘学を教えている美しい島の光と書いて美島光(みしまひかり)だ!今日からよろしく頼むな転入生!」 そう言って光先生は、ニッとはにかんで自己紹介してきた。 「こちらこそよろしくお願いします。自分の名前は、朝風吹雪です」 一応礼儀としてこちらも自己紹介した。 「よしっ、自己紹介も済んだ事だし授業を始めるぞ~。」 そう言って編入してからの初授業が始まった。
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