23人が本棚に入れています
本棚に追加
*******
昼休みまでの授業が何の問題もなく終わるとリンが席まで歩いてきた。
「朝風吹雪、学園を案内するから着いて来てくれ」
そう言われたのでリンの後を着いて行った。
*******
「ここが科学室だ。主に魔法薬の調合などを学ぶところだ。」
着々と案内をされていると、科学室の窓のから何気なく外に目をやると不思議な事が行われていた。
「リン、あれは何をしてるんだ?確か今は昼休みだから授業とかどの学年も無いんだよな?」
そうリンに問いかけて再び窓の外を見た。
「あぁ、あれは決闘だ。理由は色々あるが基本的にはしょうも無い戦いだ。お前も決闘を挑まれる事があるかもしれないから気をつけておけ」
「何で俺が決闘を挑まれるかもしれないんだ?」
「それはそうだろ。魔法学園なのに魔法が使えない奴が転入して来たんだ。みんな何で学園に入れたのか不思議に思って挑んで来るに決まってるだろ」
「なるほどな……」
「私自身もお前が何で学園に入れたのか不思議に思ってるから決闘してみたいけどな」
そう呟いてほんの僅かだけリンの無表情な顔が緩んだ。
「勘弁してくれ……それよりリン。」
「どうした?」
「お前せっかく笑うと可愛いんだから、もっと笑えばいいのに」
「なぁっ!何を言い出すんだお前はっ!私が可愛いだにゃんてっ!」
リンは照れているのか顔を真っ赤にしながら怒鳴ってきたが、最後は噛んでたのでちっとも怖くは無かった。
「プッ……ハハハ!」
「何が可笑しい!?」
「ごめんごめん。だってさっきまであんなに真面目そうだったのに、いきなり女の子らしくなるもんだから、つい……」
「もうお前何か知らんっ!勝手に迷子にでもなってろ!」
そう言うとリンは足早に何処かに行ってしまった 。
最初のコメントを投稿しよう!