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「そうだ。好きな男の報告はしなくていいのか?」
突然、デリカシーのないことを言い出すダイキに苦笑する。
「それは、まだ先かな」
「何かあったのか?」
「まずは、一人で立つ所から始めてみようと思って」
誰かに支えてもらわないと立っていられないような人間に、他人を支えることも幸せにすることもできない。
寄りかかってばかりでは、いつか相手が潰れてしまう。
そんなのは、もう嫌だから。
「私も大切な人を支えたいし幸せにしたい。それができるまでは、恋愛はお預け」
__生きる糧。
そう言いながら、私はただ依存していたのだと思う。
だけどここにきて生きる糧は私の中に無限に存在し、消えることはないとわかったから。
春馬との思い出や、こうしてダイキと笑い会える瞬間や、先生と過ごした日々や、ジミノからもらった優しさが全て、私の生きる活力になる。
そして、いつか大切な人を幸せにできる自分になりたい。と、いう目標がまた私に生きる力を与えてくれるから。
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