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「突然、美穂が大人になってるぞ?」
と、ダイキが目を細めながら春馬を見つめる。
“__バーカ”
そう言って私を殴る春馬は、もうどこにもいない。
だけど私は、これからも春馬の分まで生きる。
「献杯するか」
ダイキが、ニリットルペットボトルを袋から二本とりだす。
「飲めよ」
「こんなに、飲めないから」
「なら、春馬にやれ」
「え!?」
「春馬の馬鹿野郎ー!」
「ええ!?」
献杯すると言いながら、ダイキがジュースを思いっきりぶちまける。
「ちょっと! 私にもかかったんだけど!」
「はは!」
「もー! やめてよー!」
もう一度ダイキがジュースをぶちまけると、淡い三色の虹が宙に浮かび上がる。
「……綺麗」
「春馬からのプレゼントだな」
と、微笑むとダイキと一緒にどこまでも真っ青な空を見上げる。
__春馬からも見えてるかな?
変わっていく私達を。
変わらぬままの私達を。
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