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「さあ、この電車に乗り込もう」と高臣は麻友を促す。
二人で特急列車の指定席に乗り込むと高臣が荷物を上の荷台へと置く。
「重たいなあこれ。麻友何が入っているんだ。」と笑いながら言う。
顔を紅くしてむきになって「そんなに持ってきていないよ。女の子のたしなみぐらいだよ」と返す。
「そうかたしなみか。かなり重いたしなみだな」
「もう高ちゃんたら。ふんだ」と顔を横に向ける。
「怒った顔も可愛いな」と言うと麻友は余計に顔を赤らめている。
麻友は電車の中で二人仲良く話が出来ると思っていたのに、高臣は疲れが出たのか麻友の肩に寄りかかって眠ってしまった。
その寝顔を見て麻友は微笑んでいた。
高臣との出会いは、麻友の働く歯科に高臣が治療を受けに来たのがきっかけだった。
高臣の一目惚れと麻友は聞いているが、実は麻友も高臣に一目惚れだった。
お互いに惹かれあい、高臣から食事の誘いを受けて付き合うようになった。
麻友は高臣の誠実で優しい所にさらに惹かれていくのだった。
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