過去から

4/35
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
ONE-sided love あれは 去年 春と夏の間 子供ながら世間を蔑んでいた 睨みきかせ 歩いていた そこに現れ消えた 幻の人 子供扱いはしないで 「らしくしろ」と言うなら そうするけれど 八つは離れているだろう 歳の差も 感じないほどに 好きだった 少年のように無邪気な 忘れられないその瞳 あと一歩だけでも近づけたら もう少し傍に いられたの? 爪も 綺麗に 染めて 化粧にも 少し気を遣い 「女」らしい服を覚え 会う度に胸の中で愛を叫ぶ 子供扱いはしないで 「らしくしろ」と言うなら そうするけれど 決して言わないであろう この言葉 その窓を 見上げ呟いた ませているだけの子供は ほかでもない僕 「ずっと」があると信じていた もう少し傍に いたかった 恋と呼べるほどのものではなかった それでも 僕はずっと切ないまま 決して言わないであろう この言葉 その窓を見上げ呟いた ませているだけの子供は 他でもない僕 「ずっと」があると信じていた 無情な時が憎らしいです いつまでも あなたをそっと 好きでした いずれ どこかで また会えたなら 一人の女として 見てくれますか
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!