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彼が風邪をひいた。
彼女でもないのに心配で、
住所をきいてコンビニで買い物をした
洗面器やタオルやポカリを持ってむかった。
散らかった一人暮らしの部屋は
薄暗く じめじめとして居心地は悪かったが
熱のある彼が横になっているのを見ると
早くよくなってほしくて
すったリンゴを食べさせ、横に並んで背中をさすった。
俺、彼女いるから。
そういって枕元にある名古屋に置いてきた彼女の写真を指差した。
かまわないよ。
気にしないから。
そう答えて さすり続けたら寝息が聞こえた。
胸の奥が痛かったけれど
私が来たことで少しは楽になったんだろうと嬉しかった。
疲れて私は彼と反対の方向をむいて
眠った
数時間たった頃 体になにかが触れている
目を開けると
Tシャツの裾からウェストをつかんだ手が見えた
驚いている私をみて
そのつもりで来たんだろう? と口を塞いだ
そのつもりで、、
じゃなかったんだよ。
ただ心配なだけだった
けど抵抗はしなかった
受け入れた
けど
残ったのは
激しい後悔と 溢れる涙と
また来いよと帰り際に吐き捨てられた
心ない言葉
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