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「どう?気に入った?」 先輩が連れてきてくれた場所は、周りに遮るものが何もない、ただただ拡がる青空と海がくっついて、すべてが青く見える高台だった。 「きれい…。」 感動した。こんなスペシャルな場所に連れてきてくれるなんて、絶対先輩も私のことが好きだ。間違いない。 もしかして今?タイミング的に今なんじゃない?わたし、言う?言っちゃう? 「わたし」「俺」 二人の声が重なった。 「ははは」 二人は笑った。 決まった。先輩は私に告白するつもりだ。なら、黙ろう。男の人に決めてもらう方が、女の株が上がるってもんだ。 「俺、こっちで彼女できてさ。妊娠中なんだ。」 「?」 理解に苦しむ展開に、私は言葉が出なかった。察したのか、先輩は言葉を繋げた。
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