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私が小学生の頃、クラス内は二つのグループに分かれていた。
一人の子がリーダー格となり、好きな子だけを集めた、仲良しグループ。そしてそれに敵対する、はぐれグループ。
私は最初、仲良しグループにいた。それはそうだ、はぐれグループは暗いイメージがあり、なんか楽しくなさそう。仲良しグループにいれば、一人になることもないし、楽しく過ごせると思っていた。
だが、その考えは直ぐに覆ることとなる。
私はリーダー格の子が嫌いだった。頭が良くてスポーツ万能、可愛くって人懐っこく、誰からも愛される女の子。だが、それはあくまでも表の顔で、裏の顔は違った。
妙に威張りちらし、気に入らないことがあれば八つ当たり。揚句の果てには、陰口を叩いた子を排除するという暴挙ぶり。
その排除された子というのが、実は私なのである。
仲良しグループから排除された私は、はぐれグループからも無視され、誰からも相手をしてもらえず、空気のような存在になってしまった。
登下校は、もちろん一人きり。昼休みには図書室へ行き、読書に明け暮れる毎日。
その孤独は小学校を卒業すれば終わると思っていたが、その考えは甘かった。一度、孤独に引きこもってしまった私を待っていたのは、さらなる闇だった。
孤独という暗く長いトンネルに入ってしまった私は、中学でもそのトンネルの中をさ迷い、そしてそれは、高校を卒業しても続いた。
幸いなことに、勉強と読書以外することがなかったので、いい大学には入れたが、そこで私を待っていたのは、いい先生でも友達でもなく、やはり出口の見えない闇の中。
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