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私は、ウォッカを飲みながらパソコンを開き、赤ラークに火を点けた。
何かしたいわけでもない、現実からかけ離れた場所にいたい。そう感じていたのかもしれない。
パソコンが立ち上がるまでの間、ケータイのメールをチェックする。傍から見れば生き急いでるだけの、せわしい女。でも、何かをせずにはいられない。
暗い部屋でパソコンの画面を見る。
「今、私はどんな風に映っているのだろうか」
そう考えると、真正面にある鏡すら見れない自分がいる。
とその時、突如として、窓の外から強烈な光が差し込み、部屋を一気に真昼に変えた。
何かと思いベランダの窓を開けると、そこには直径百メートルくらいの巨大な円盤のようなものが、ふわふわと浮いていた。
円盤には窓のようなものが付いており、そこからは、別れたはずの彼が手を振っていた。あの時と同じ笑顔のままで。
嗚呼、私は今、癒されている。
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