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煙草の煙が充満した部屋。
常に十人前後の若い男女が入れ違い、あらゆる方法で白い粉を体内に取り込む作業に夢中になっているゴミため。そこがあたしの居場所。
高校に行っても先生が、家に帰っても親があたしに指図する。
「あれも駄目、これも駄目」と。
息が詰まるような生活。自由になりたい。そんな思いがあたしをこの場所へと引き寄せたのかもしれない。
きっかけは友達の沙織からの誘い。
「面白い場所があるから行ってみない?」
特に興味も無かったが、暇だったので沙織に着いて行った。
とあるマンションの部屋に連れて行かれると、そこにはあたしと同年代の男女が、思い思いに好きなことをしていた。
一角では延々と漫画やゲームに没頭する人や、また別の一角ではガラステーブルにはいつくばり、鼻から何かを吸っていた。
締め切った部屋からは、まさにそれだと分かる女の喘ぎ声が聞こえてきて、ここが無法地帯であることが瞬時に伺えた。
誰の部屋で、この人達がどこの誰なのか分からなかったが、あたしはこの場所に、自分の居場所というのを見出だしてしまったのだ。
「ここにいれば、誰からの指図も受けない」
なぜかと聞かれたら、あたしはそう答えるだろう。
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