愛しき幼なじみに捧ぐ

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「美佳がお前に会いたいってよ」  そう裕介に言われ、久しぶりに田舎の土を踏んだ。裕介とは幼なじみで、俺が就職で上京するまでは、よく遊んだ仲だ。美香は高校の同級生で、俺と裕介と三人で青春時代を共に過ごした。  俺と裕介は美佳が好きだった。でも二人とも、美佳に告白できずにいた。三人の仲が壊れてしまうのが恐かったからだ。  美佳の気持ちを知ったのは最近だった。俺の所へ美佳が訪ねて来て、好きだと言われ、俺は嬉しくなり美佳と一夜を共にした。だが裕介への罪悪感から、その日を堺に互いに連絡をしなくなっていた。  もちろん裕介はこの事を知らない。でも、美佳が会いたいと話したということは、気付いているかもしれない。
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