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文部科学省より、宅配便が届いた。何かと思い開けてみると、中には卵と保温器が入っていた。
そして、説明書にはこう書いてある。
「この卵を保温器に入れ、温度を三十七度に設定し、六十日間温めて下さい」と。
どこにでもある、何の変哲もない卵。それを温めろとのこと。
まったく意味不明だったので、文部科学省へ電話を入れた。すると、
「あなたの生命に関わることなので、頑張って温め、卵がかえったら処理に向かうので、連絡をしてくれ」
と、脅しにも似たような口調で言われた。
びびった俺は、とりあえず卵を保温器へ入れ、三十七度に設定した。
それにしても、大きい保温器だ。卵一個を温めるのに、家庭用冷蔵庫くらいの大きさがある。俺の部屋は、六畳一間のアパートだったので、かなり迷惑な代物だった。
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