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綾津ちゃんの、バカ。
せんせーとの時間をジャマばっかりして。
一緒にお話しできる時間は、朝しかないのに。
そう、思うけど。
どこか安心しているあたしもどこかにいたりする。
せんせーに対する気持ちは、憧れじゃなくて。
きっと『恋愛』的な好きだから。
だけど、きっと、この感情は知られたらいけないんだと思う。
これが男のせんせーなら、言いやすいのかな。
軽い気持ちで、好きって言えるのかな。
やっぱりせんせーだから、ダメなのかな。
いろいろ考えるけど。
あたしには分からない。
だって、恋愛なんて初めてなんだもん。
もうすぐバレンタインだから。
せんせーにも何か渡したい。
あたし、これでもお菓子作りは得意なんだ。
だけど。
どうやって渡せばいいかな。
いつものお礼、とかでいいのかな。
どんなお菓子が好きなんだろう。
せんせーは大人だから。
やっぱり甘いよりはビターな方がいいのかな。
あたし、せんせーのこと、何も分かってないんだなあ。
そう思うと、少し打ちのめされるけど。
あたしが一方的に話しているだけなんだし、それも当たり前だよね。
だったら、バレンタインをきっかけにしたいな。
少しでも、せんせーのこと知ることができるように。
マイナスになりそうな気持ちを立て直して。
これから少しずつ、せんせーのことも知っていけるように。
あたしはバレンタインで勝負をかけようと意気込んでいた。
だけど、このとき、あたしは忘れていたんだ。
バレンタインには、別の…綾津ちゃん以外の、お邪魔虫がいるっていうことを。
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