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『SAYA』
有家川とはカブらない。
サヤと…有家川……。
ウケガワマサヤ………???
マ『サヤ』!!!!!
頭が真っ白になって、俺はしばらくフリーズしていた。
そんなわけない、そんな偶然が……。
色々否定する根拠を見つけようとするがまとまらない。
ずっと声を聞いて、気になっていたんだ。
演じているので雰囲気は違うが、あの声は有家川だ。
初回参加作品でなく、もっとこなれて演技が上手くなっていたら、わからなかったかもしれない。
でも、特徴的なかすれや語尾の音色がまさに有家川だった。
間違いないと直感が告げる。
俺はもう『SAYA』は有家川だと確信していた。
あと必要なのは証拠だけだ。
学校で改めて有家川の声を聞いて、さらに確信を深める。
やっぱり。そうだ。
けど、どうしてあの有家川が?
そういった世界とは全く縁が無さそうだ。
推察したところで理由なんかわかるわけない。
俺だって美奈姉さんに勧められなければ、こんな世界知らなかった。
有家川は、俺が同じゲームに参加してることなんか気付いてないだろう。
けど、俺は勝手に仲間意識みたいなものを彼に感じてしまっていた。
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