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序章
「私の手をとれ少年、不条理に抗う術をくれてやる」
焼き払われた故郷にて少年は少女に出会う。
黒い剣を提げ、銀の髪を揺らし、赤い瞳を向け少女は手を差し出す。
「……いいのか、寝首を掻かれることになるかもしれないぞ」
その手を前に少年は恨み言に似た言葉を口にする、
何故ならば少年の故郷を焼き払ったのは他でもない、その少女なのだ。
「安心しろ、『私』は『私』しか信じない。
お前は自分の企み事が暴かれないか心配をしていれば良い」
降り始める雨、次第に濡れる焦土にて、
その手を取ることを少年は決めた。
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