一つ屋根の下

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唐突だが、俺、榛名京介には好きな奴がいる。 30過ぎの安月給サラリーマンであるこの俺がいい歳して年下の男に恋焦がれている。 そいつとの出会いは思えば最悪だった。 あれは台風の夜。 風を乗せ揺れるブランコ、ざぁざぁと木に打ち付ける雨の音、滑り台はさながらウォータースライダーのよう。 当然人なんていない嵐の公園…のはずだった。 そのど真ん中、傘も差さずにたたずむ青年がいるとは、 さらにそいつに惚れてしまうとは… 誰が予想できただろうか。
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