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まばゆいくらいの光が頭上に降り注ぐ。
真っ赤な焔の優しい光が降り注ぐ。
空に向かってその光の中に手を伸ばす。
伸ばした先で辿り着いた私は桜瑛の微笑みを見つけた。
「姫様……遅いお目覚めですわ」
桜瑛は、にっこりと笑みを携えて呟く。
再び涙が頬を伝う。
もう二度と巡り会えぬ。
交わることがないと思っていた桜瑛が私に微笑みかける。
『ほらっ。
月姫……桜瑛さんが見つけてくれたよ』
潜在意識から深優姫が語りかけてくる。
「そうじゃな。
桜瑛……寝過ごしてしもうたようじゃ……」
私が返した言葉に桜瑛は今までしたことない行動に出る。
桜瑛の腕の中、すっぽりと包み込まれた体は、
温かく……何処までも優しかった……。
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