8. 暗闇を照らす希望の光

4/5
前へ
/56ページ
次へ
まばゆいくらいの光が頭上に降り注ぐ。 真っ赤な焔の優しい光が降り注ぐ。 空に向かってその光の中に手を伸ばす。 伸ばした先で辿り着いた私は桜瑛の微笑みを見つけた。 「姫様……遅いお目覚めですわ」 桜瑛は、にっこりと笑みを携えて呟く。 再び涙が頬を伝う。 もう二度と巡り会えぬ。 交わることがないと思っていた桜瑛が私に微笑みかける。 『ほらっ。  月姫……桜瑛さんが見つけてくれたよ』 潜在意識から深優姫が語りかけてくる。 「そうじゃな。  桜瑛……寝過ごしてしもうたようじゃ……」 私が返した言葉に桜瑛は今までしたことない行動に出る。 桜瑛の腕の中、すっぽりと包み込まれた体は、 温かく……何処までも優しかった……。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加