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「じゃあ電話して、誰か体育館に来たヤツがいないか聞いてみて」
「え?」
「ここからカギを持ち出したヤツの目的が体育館なら、今頃体育館に辿り着いている可能性が高い」
「あっ、そうか。分かった」
史奈がスマートホンを取り出して竜騎に電話をかけたとき、廊下から何か聴き慣れない音がした。
カシャ、カシャ、カシャ。
甲冑が擦れるような音……。
四人は息を殺して、音のする方を注視した。
『もしもしフミナ?』
静まり返った部屋に竜騎の声が響く。
さすがにこの状況では、相手に居場所がバレてしまう。史奈は慌てて電話を切った。
カシャ、カシャ、カシャ。
音が大きくなる。
チャリララ、チャリララ~~~。
静まり返った職員室に、史奈のスマートホンの着信メロディが鳴り響いた。
史奈が慌てて電源を切った時、入り口から鎧武者が入ってくる。
「来た」
孝弘が小声で呟くと同時に、後方のドアに向かって走り出し、それに釣られて全員が一斉に後に続いた。
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