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「はい。どうしました」
人混みの中から武政が現れる。
「今の地震で、上で生徒が一人雪崩に巻き込まれたらしいのですが、それがおそらく先生のクラスの杉本っていう生徒のようなのです」
「何ですって。間違いないんですか?」
「いえ、彼女たちの報告なので、本当かどうかは定かではありません」
小見山が指差した先の、朋佳と香里はかなり麓まで降りて来ていた。
武政は二人の方に向かう。
「おい! 杉本が雪崩に巻き込まれたっていうのは本当か!」
「はい。でも、名前は分かりません。いつも井上くんと一緒にいる人です!」
朋佳が叫んだ。
「どうしました!」
集まっている小見山たちの方に、スキー場のスタッフが二人、駆け寄って声をかけてきた。
「上で雪崩が起きて、うちの生徒が巻き込まれたようなんです」
「何ですって! おい」
スタッフの高田と若林は顔を見合わせると、すぐに連絡を入れた。
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