修学旅行

15/40
前へ
/297ページ
次へ
「はい。どうしました」 人混みの中から武政が現れる。 「今の地震で、上で生徒が一人雪崩に巻き込まれたらしいのですが、それがおそらく先生のクラスの杉本っていう生徒のようなのです」 「何ですって。間違いないんですか?」 「いえ、彼女たちの報告なので、本当かどうかは定かではありません」 小見山が指差した先の、朋佳と香里はかなり麓まで降りて来ていた。 武政は二人の方に向かう。 「おい! 杉本が雪崩に巻き込まれたっていうのは本当か!」 「はい。でも、名前は分かりません。いつも井上くんと一緒にいる人です!」 朋佳が叫んだ。 「どうしました!」 集まっている小見山たちの方に、スキー場のスタッフが二人、駆け寄って声をかけてきた。 「上で雪崩が起きて、うちの生徒が巻き込まれたようなんです」 「何ですって! おい」 スタッフの高田と若林は顔を見合わせると、すぐに連絡を入れた。
/297ページ

最初のコメントを投稿しよう!

246人が本棚に入れています
本棚に追加