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かなり下ったところで、迂回出来そうな場所から、コースの仕切りのネットを外してコース外に出る。
堀川は目的地を目指してまた登って行った。
「マジかよ」
正面に雪ではなく地肌の斜面が見える。
これは雪崩ではなく、地震による崩落のようだ。
「大丈夫ですか!」
倒れた少年の近くでスノーモービルを停めると、立っている少年に向かい声をかけた。
「はい。ケガはしていないみたいなんですけど、意識がないんです」
「ちょっと診させてください」
堀川はしゃがみ込むと、倒れている少年の様子を伺う。
一見して大きなケガはなさそうだし、ちゃんと呼吸もしている。
「おい。運ぼう」
堀川はもう一台のスノーモービルで来た内村に声をかけると、二人で少年の身体を抱えて、搬送用のソリに乗せた。
「あの穴なんだ?」
内村が崩れた斜面の方に開いている洞穴を指さす。
その瞬間、またしても大きな揺れが起こった。
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