修学旅行

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真っ白なゲレンデ。 白銀の世界を滑走する仲間たち。 久しぶりのスノーボードに時間を忘れて盛り上がる。 「なぁ翔馬」 「何だ?」 親友の杉本旬に話しかけられ、井上翔馬は振り返った。 「まだ滑るのか?」 「当たり前だろ。ここに来ててスノボ以外に何をやることがあるんだよ?」 結構滑っているけど、翔馬としてはまだまだ滑り足りない。 「部屋に帰ってゲームとか」 「はぁ? アホか! そんなものは地元に帰ってからいくらでも出来るだろ」 翔馬は本気で怒鳴った。 「そりゃそうだけど。オマエみたいにスノボーが上手いヤツは楽しいかもしれないけど、俺はしんどいばっかりだ。まったく何で去年のヤツラは問題なんか起こしたんだよ」 旬は舌打ちをする。 「それを今更言ったって仕方ないだろ」 「でもさぁ、何もスキーツアーじゃなくても、他に何かあっただろうに」 旬はため息を吐いた。
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